毎年、夏の休暇はこの山で過ごしています。ローマから車で下ること2時間あまり、栗に覆われた休火山のカルデラの内側に発達した町の人口はおよそ3千人、夏になると大幅に避暑人口が増します。
なぜここがホモ・ハイデルベルゲンシスの山かというと・・、ここには長年『悪魔の足跡』と呼ばれる伝説の足跡があり、2003年についに、パドヴァ大学の教授の研究によって35万年前のホモ・ハイデルベルゲンシス原人のものと判明したのです。しかも、世界最古の足跡なのだとか。まだ柔らかい溶岩についた足跡がそのまま残っていたなんて!
この夏は、そんな野生の原生林の山歩きに参加してみました。
総勢200名ほどで4,6キロの道のりを1時間半かけて歩きました。
雪中貯蔵庫 |
樵の避難所 |
休暇中のもうひとつの楽しみは古くローマ時代から利用されている温泉地の硫黄プールです。海外から療養に訪れるひとも多いようです。
この夏こそはと、ずっと積読だったレヴィ・ストロースの『悲しき熱帯』を持参したのですが、オリンピックが気になってなかなか進みません(苦笑)
タイムリーにNHKスペシャルでアマゾン特集『イゾラド』も放映され、野生についての関心は高まるばかり。
もっと速く、もっと強くと、同じブラジルを舞台に繰り広げられているこの夏の祭典は、果たして本当に人類の進化なのか、この本に答えがあるのかも。そう期待しつつ・・、そのうち読み終えると思います。
そうこうしていると、家庭菜園で無農薬栽培をしているひとたちからどっさりと野菜が届きました。こうしたものは丁寧に手入れをしないとできないもの。野生ではないのです。確かにありがたい。
そして、過疎化の進むこの町にも、地元の素材を生かした美味しい料理を出してくれる店はあって、ひとの手によるオペラ・ダルテともいうべき皿を前にすると、やっぱり進化はあると思わずにはいられません。悲しいかな・・。
でも、そうなると、失われるものもでてくるのかも知れません。
なにかを守るためには犠牲を払わなければならない。
町のさらに小さな集落では、毎晩のようにボッチェ(ペタンクのようなもの)の試合があります。今度の日曜日はその昼食会。セルヴァに生きるひとびとの笑顔を見るのが楽しみです!