2018年9月2日

ワンダーランドの夏  Le vacanze nel Paese delle Meraviglie 2018






ローマから車で2時間ほど南下したところにあるロッカモンフィーナ・フォチェ・ガリリャーノ州立公園(わたしはワンダーランドと呼んでいます)で過ごす夏もかれこれ28回目。休火山のなかに発達した村落の標高はちょうど軽井沢くらいで家はそのさらに200mほど上にあります。

山の夏は短い。そのせいか、みな生き生きとしていて凝縮された命の恵みが感じられます。

この夏のメインはなんといっても山歩きです!屋久島以来しばらく出番のなかった登山靴も持って来ました。

まずは、毎年村が主催する「平和の歩み」。今回はわりと平坦な栗林散策コースでした。参加者は200名。夜は村の有志による夕食会が催されました。




山歩きが趣味という従弟夫妻は考古学的にも興味深いスポットに連れて行ってくれました。

Regina dell'Orto
Regina dell'Ortoという高台の要塞とローマ時代に敷設された道路、Strada Romanaです。紀元前3~4世紀ごろ近隣民と戦いながら領土拡張していったローマ、巨大岩の要塞(いかにして積んだのかは不明)はその戦略的な位置にあったのでしょう。そこへと続く石畳も残っています。






Strada Romana



ローマ時代の石

ガエタ湾

モグラを襲う蛇
山頂の教会までの巡礼道もかつては車道などではなく脇を走る小道でした。気の遠くなるような道のりを歩いてみて実感。
洗い場
湧き水が豊富なこの土地の洗い場もかつては井戸端会議で賑わったことでしょう。今では使われていませんが山のあちこちにあります。
ネヴィェーラ(氷室)と呼ばれる冷温貯蔵庫も点在。




森の深いところにある樹齢数世紀の栗林まで歩いた日もありました。迷い込んだら出られなくなりそうな樹海の奥にあります。




森のなかで乗馬を楽しむひとたちと遭遇。ファンタジーの世界のようでうっとり。後日、その乗馬クラブを訪ねてみました。


牧舎では10数頭の馬が静かに草をはんでおり、その長閑な風景にこころは和みっぱなし。

初めての乗馬はいきなり林を歩くというので緊張しましたが、乗っているうちにだんだんコツがつかめてきました。腹筋と脚力!夜になって横になると腰から脚にかけてこれまで味わったことのない痛みが・・・。

それでもめげずに2度目にチャレンジ。小型の馬に安定感のあるアメリカ鞍をつけてもらって200mほど山を上りました。快適!

3度目も同じ鞍で山へ。ちょうどキノコのシーズンとあって目線は地面に釘付け、ポルチーニ茸が2つみつかりました。馬上からの方がよく見えるのかも・・・。

前説明もなくいきなりの乗馬でしたが、なんとかなるものですね。でもまあ、なにかあったときの対処法くらいは知っておきたいものです(苦笑)

ワンダーランドでは、無農薬の野菜と果物、肉類も新鮮で美味しく、ありがたいことにこれまで行商だった魚屋も店舗を構えてくれて、食生活は充実。お洒落なレストランやスイーツはありませんがアグリツーリズモの石窯焼ピッツアは格別です。
ズッキーニの花