2022年6月12日

母、89歳のイタリア生活 ④ Mamma, 89 anni, si gode la vita all'italiana

 



年々夏の訪れが早まっている。ローマも5月半ばごろから暑さが増し気温が下がる気配もなく山の家への移動を少しだけ早めた。母にとって3回目のイタリアの夏だ。

慌ただしい荷解きのあいだの状況が読めない母に、

「去年と同じように秋までここにいるんだよ」と説明してもすぐに理解できないらしくハンドバッグを抱えて玄関にずっと座って待機している母、頭の中をなにが過っているのか、未知数、異次元・・。

「(邪魔だから)もう帰らなあかん」、混乱するといつものが出る、日本の生まれ故郷に帰らなあかんという意味でわたしたちもこの現実逃避の口癖にはもう慣れた。スルーする。

到着とともに気温が下がり、家のなかではセーターと靴下を着用するほど。そんななか夫が発熱、まる3日間うなされた。PCR検査で陰性とわかるとすぐにお医者さまが来てくれた。幸い風邪ということでようすみ。

庭のテイカカズラの花が満開で家のなかまで香りが漂ってくる。泰山木もすくすくと伸び(というか伸びすぎ・・)、去年の秋に植えてもらったフジもいまのところ順調。

去年の夏はブーゲンビリアとゴジも植えてみたけれど残念ながらひと冬で枯れてしまった。陽当たりが悪すぎる。

6月半ばはまだ学校の試験があったりするし、完全に夏休みに入ったわけではないので村の生活もオンタイム。夜ぐっすり眠れるのがありがたい。贅沢な悩みかも知れないけれど鳥の囀りがすごい・・・。

来週あたりから母もずっと楽しみにしていた硫黄の温泉プールに行ってみようと思う。