アブルッツオ国立公園バレア湖 |
今年の上半期はローマ、母もおかげさまで元気に90歳の誕生日を迎えることができ、粛々と内輪でお祝いをした。この春はローマは雨が多くて、しかも冬から夏へ春を通り越してひとっ飛び、わたしはただただ近場のローマ遺跡めぐりを楽しんでいた。
今年は6月そうそうに山へ老組3人で移動となった。暑い日もあったけれど山はさすがにまだ肌寒く、長雨が続いて、温泉プールの湯治も先送りとなる。
「古代ローマ」フリークのわたしはローマ歴史地区を散策する楽しみがあったのでそんなに早く山へ移動しなくても…と思ってはいたのだが。
この山では自然にどっぷり漬かってBIO食品をいただき、自然治癒力を高めるべくテルメやトレッキングを心がけ、読書や絵や編物でセラピーをする。でも、今年はポンペイを推してみた。「ポンペイ?暑いよ~」とこれまでずっと避けらてきたけれど、行けるときに行っとかなきゃ。
というわけで、友だちを誘って、熱波が来る前の6月末にポンペイ行きが決まった。もちろん母も車椅子で連れていく。わたしは、見るもの触るものすべてに感動しまくり、夫と母はフォロの日陰で待機ということに。石畳はやはり車椅子では限界があり、2時間以上も待ってもらって、わたしたちはポンペイを駆け廻った。3時間近くの炎天下で激しく消耗、予約しておいた古代ローマ調レストランにたどりついたときには崩れ落ちた。美味しいワインと食事で生き返る。予定では寄るはずだったカンピ・フレグレイはまたの機会ということで帰路についた。
思えば、南イタリアは古代ローマ、それ以前の遺跡の宝庫、暑いからといってボーっと過ごすのはあまりにももったいない。そんななか、近くにあるテアーノという町の考古学ツアーのお誘いがあり散策することに。こちらは夕方から3回の食事ブレイクつきで5時間の町歩きだった。古代ローマ以前の原住民の優れた文化を垣間見ることができて大満足。ただ、旧市街はゴーストタウンのようで、廃墟と化した教会も多くて残念。
ポンペイに行ったもののなにか物足りない気持ちで過ごしていたわたくし、頭のなかはナポリ考古学博物館が過りっぱなし。そこで、友だちと3人で博物館→行きそびれたカンピ・フレグレイを計画。母は夫が見ていてくれるというので心置きなく(笑)出かけたのだった。到着するなり、ここに移住したい、いっそ住民票移したい、くらいにドはまり、写真を撮りまくって携帯のバッテリーも切れてしまった。4時間かけて(それでも駆け足だったが)見尽くし、次はカンピ・フレグレイに移動、そこで昼ご飯と思いきや、時間が遅すぎたのかもうどこも開いていない。バイアまで足を延ばし、ヴェスヴィオ火山、ソレント半島を遠目に「カエサルもこの海を眺めていたのか…」とか言いながら想いに耽ってみた。
南イタリアの古代遺跡巡りでは、この山から比較的近いカプアやミントゥルノも標的内だが、来週はスペルロンガのティベリウスのヴィラ/博物館とローマ時代の巨大貯水庫を見学に行く予定。ZiAnnaのオマール海老のパスタも楽しみ!
8月、夏本番となり、温泉プール通いも規則的に週2のペースとなり、母も勝手知ったるテルメという感じ(今年で4年目)でスイスイと泳いでいる。そういえば、この5月に家族そろってコロナに感染し、その後遺症かも知れないし、コロナ禍の環境変化による免疫低下かも知れないが、山へ移動するとファウナ(生態系)の違いもあるのか、アレルギー反応が強く出始め、もしや栗アレルギーだったら恐ろしい(ここは栗林の山)と思ってテストをしてみた。栗は大丈夫だったけれど、思ってもみなかったメロンにアレルギー反応が出てショック。生ハムとメロンさえあればなにもいらない、とまで豪語したわたくし、果たして硫黄の温泉が功を奏すかどうか… フェラゴストの里帰りで山も賑やかになり、連夜大爆音コンサート(最近は苦情が殺到してきっちり時間厳守で爆音騒ぎ)や花火、ツラれて犬も吠えるしで、煩い日々が続いているけれど、それも8月後半にもなれば落ち着くはず。お達者クラブ仲間のトレッキング、村の恒例の山歩きやBBQには母も参加、村の衆との交流もまずまずといったところ。とにかく90歳のニッポン女子というのが女性の鏡のように思えてならないらしい。
ひと雨来ればポルチーニ茸、そして、9月末になれば栗も落ち始める。山村ポポロが全開で活動を開始する。10月には「メガ栗フェス」も開催される(去年は一日3万人が来場して中止になるほどだった)、まだまだ続く珍道中。