ずっと行きたいと思いつつも機会を逃していた能、とうとう鑑賞することができました。このお誘いがあってからというものの、待ち遠しくて、待ち遠しくて・・。
会場では、お番茶と釣鐘饅頭が振舞われていました。三時間半の長丁場、歌舞伎なら幕間にお弁当ということもありますが、能はそういうことでもないらしく、その代わりにお茶とお菓子が振舞われるのでしょうか。
とにかくはじめてなので、見ること聞くことすべてが目新しい。
今回の公演は、宝生流辰巳満次郎さんの『道成寺』。構成は、
絵解き 道成寺縁起
長唄 京鹿子娘道成寺
一調 玉之段
仕舞 求塚
能 道成寺
舞台を細かく観察していると、決まりごとが少しずつわかってきます。無駄を極限まで省いていった芸術、ごくごく僅かな動きにも意味があるのでしょうから、ひとつも見落とすことができません。
能では、白拍子のまったく動かない場面(これがかなり長い時間続く)に一瞬怯みそうになりつつも、なんとか持ち堪えることができました。これは、観ている側にも忍耐力が必要ですね。
この美しい調和の世界を体感するために、次回は来年の帰国を待たなくてはなりませんが、今からすでに楽しみです。