2016年10月20日

日本平ホテル 南イタリアのワインと懐石料理の夕べ Abbinamenti enogastronomici tra Kaiseki e vini del Sud Italia






いつも素通りで降りたことのなかった静岡。その静岡から車で20分ほどのところにある日本平ホテルで開かれた、南イタリア・ワインと懐石料理の夕べに行って参りました。夜なので右のような景色は見られませんでしたが(これは新幹線の駅にあった広告用の写真)、晴れた日にはこんな絶景が望めます。これ、どこかに似ていませんか?そう、ナポリ湾とヴェスヴィオ火山です。



今回のお食事会は、この日本平ホテルの改築5周年記念を祝して企画されたもので、南イタリアの白ワインで懐石料理をいただくというもの。イタリア・ワインを出す料亭はたくさんあるようですが、「日本とイタリアの食文化には風土的にも共通点が多く、合わないはずがない」、と企画者。静岡産の新鮮な魚や野菜を用いたお料理には、魚介を多くいただく南イタリアのワインがよく合う、これはわたしの意見(笑)


お料理とワインのしっくり感は、どちらにもさほど精通していないわたしでも存分に味わうことができました。

和食は目で四季を味わいイタリア料理はその香りを味わうなどと言われますが、どちらも満たされた思いです。

日本平ホテル、次回はぜひ富士山を眺めながら!




南イタリアのワイン

Almerita Brut 2013 Tasca d'Almerita

Greco di Tufo 2014 Feudi di San Gregorio

Pietra Bianca 2014 Tormaresca

Etna Rosso Guardiola 2013 Terre Nere

















2016年10月18日

歌舞伎ー中村橋之助さんとご子息の襲名披露  Teatro di Kabuki






楽しみにしていた橋之助さんの芝翫襲名披露に行って参りました。三人のご子息も揃っての、四人同時襲名は史上初なのだそうです。ずらりと並んだ歌舞伎界の大御所を目の前に、日本の伝統芸能の素晴らしさを再確認いたしました。

今回の演目は、外郎売の後に襲名披露口上があって、一谷嫩軍記・熊谷陣屋、そして玉三郎さんの藤娘と続きます。特に、藤娘は、これが見納めになるかも知れないと思いながら観させていただきました。一生のお宝です。






今回は夜の部だったので、夕飯は幕間のお弁当になりました。これも、歌舞伎の楽しみのひとつです。松屋さんなんかでは、幕間用のお弁当を料亭に注文してくれるんですね。銀座のうち山のお弁当にしました(食事に行ってみたかったお店でもあったので)。
年に数えるほどしか行けませんが、日本に帰って来たときには、歌舞伎、欠かせません。



2016年10月15日

ジャパン・オルフェオ Japan Orfeo 150 anni di relazioni tra Giappone e Italia







 


ギリシャ神話のオルフェウスの物語りはあまりにも有名ですが、亡くなった妻を冥界へ取り返しに行く物語りは世界中にあり、日本では古事記のイザナギ、イザナミの物語がそれにあたります。

日伊修好150周年を記念して制作された『ジャパン・オルフェオ』は、17世紀に書かれたモンテヴェルディのバロック・オペラ(当時はまだオペラという名称はなく音楽による物語といわれたそうです)と能・日本舞踊を融合させた新たな試みでした。

天候が心配されていた鎌倉鶴岡八幡宮も、続いての東京芸術劇場の公演も、大成功を収め、12日には皇后陛下のご観劇という栄誉にも与ったのでした。

このモンテヴェルディのオルフェオは世界最古のオペラと言われていますが、わたしにとって古楽ははじめての体験。その楽器の音色、旋律から歌い方まで、すべてにおいて新鮮かつとても魅力的なものでした。

そして、クライマックスの能と日本舞踊、思わず鳥肌が立ちました。




衣装を担当されたのはミッソーニさん。時空を越えた物語ということで、コンテンポラリーなものを考えたとのこと。
今回は二日連続で観賞。一日目は作品の把握で精一杯でしたが、二日目は少し余裕ができて、細かいところに注意を払いながら堪能することができました。それにしても、芸術劇場の音響は素晴らしい。

2016年10月11日

秋の長雨に機織  Tessere nella stagione delle piogge d'autunno









ここ一ヶ月くらい、東京では秋雨前線だの台風だので、ずっとお天気に肩透かしをくらい、家にいることが多かったのですが、こんなときこそチャンスといわんばかりに機織りをしていました。

まずは、手編みを始めたものの、そうそうに断念し、もういらなくなったからとローマの友だちがくれたモヘア混の毛糸で。細い糸なのでなかなか進まず、時間がかかりました。






















もっとモフモフするかと思いきや、意外と平面的な布になりました。



次は、これもイタリアから試作用にと買い込んできた毛糸で、大判にチャレンジです。縦糸は茶色、横糸は白と茶のまだら。どんな布目になるか楽しみ。



最後の15cmは、はじめて紡いだ白い毛糸を横糸に使ってみました。あまり変化はないけれど、微妙に白っぽいです。

出来上がって羽織ってみると、長さと幅のバランスが今ひとつでした。幅をもう少し広くして、長さを短めにすると良いかも・・・試行錯誤。












今度は茶と白のストライプのガウチョ風で、長さと幅を調整して織ってみました。

縦糸を通すのに時間がかかりますが、それさえきっちりしておけば、後は単調な作業なので、編物よりうんと早く出来上がります。


そして、以前から織ってみたくて仕方がなかった千鳥格子のマフラーも。

これは、縦糸を張るのに三度も失敗し、それでも粘り強くやり直し(われながらその忍耐と根気の良さに驚いています)、せっせと織ってようやく完成と喜んだのもつかのま、三ヶ所ほど間違いを発見。気を抜くと必ず織目に出てしまいます。

ものづくりには心の状態が現れるということを実感。

織り終わったらお湯につけて縮絨し、織目を整えます。肌さわりも良くなって、ようやく完成です。