2018年7月25日

アースダイバー 東京の聖地「築地」 Earth Diver - "Tsukiji", la Terra Santa di Tokyo






築地は、外国人を連れて場内を見学したりお寿司を食べることはあっても「移転前に見納めておこう」とまでは思わなかったでしょう。『アースダイバー 東京の聖地』を読むまでは。

この国の魚河岸の歴史の根源というのはとんでもなく古いんですね。卑弥呼のお墓があるといわれる奈良盆地の三輪山の麓あたりが出発点らしい。大阪から家康にくっついて江戸にやって来た漁師、森孫右衛門たちが日本橋のあたりに魚河岸を立て、彼らが漁の拠点としていたのが佃島。海民の神さまを祀る住吉神社もそのとき一緒に持って来たみたいです。今では埋立てられた島に高層マンションが林立、佃地区はその端っこにひっそりと残っています。

住吉神社



 

魚河岸がひとつになって築地市場になるのは関東大震災の後。その長い長い魚河岸文化は日本人にとってはたいへんなお宝なのだそうです。『アースダイバー』は、移転によってこれを失うことになるとまで危惧しています。

さて、この日も猛暑。都内でも40度超が記録されました。自称アースダイバーは歌舞伎座からスタートして本願寺から聖路加病院へ向かいます。ちなみに歌舞伎座にも神社はあり5階の売店でご朱印もいただけます。



聖路加病院の周辺は旧外国人居留地。開国とともに入って来た新文化の足跡があちこちに残っています。病院があったおかげで戦火を免れたそうです。

築地本願寺
聖路加病院
聖路加ガーデン
隅田川沿いの聖路加ガーデンという高層タワーも目を瞠ります。中は吹き抜け、47階には展望レストランもあります。

築地カトリック教会


あまりの暑さゆえ循環の「江戸バス」を利用することに。隅田川を渡って月島から晴海まで乗せてもらい、勝鬨橋からは歩いて市場へ入ります。






場内では、すでに一日が終わったかのようにひと段落していました。この暑さでは一般客の姿も疎らです。




行列のある鮮魚店は避けて鶏肉の老舗「鳥藤」で水炊き定食をいただきました。体感温度はおそらく40度以上。暑い日こそアツアツを。






「秩序あるカオス、自然と文化を分割しないインターフェイスの空間」はもうすぐ姿を消します。その跡地がどうなるのか、興味津々です。






2018年7月22日

軽井沢でカーリング  Curling in Karuizawa





都内・近郊でも体験できるけれどずっと空きがない、ならば軽井沢まで行っちゃおう。それを聞きつけたひとが加わってグループはいつのまにか9人の大所帯に。

新幹線で一時間もすれば軽井沢。そこからはレンタカー2台に乗り分け、アイスリンクに移動です。

カーリング場は風越公園のアイスパークにあります。さっそく着替えてリンクへ。室内は5度という寒さです。

靴の片方にはカバーがついています。氷の上を歩く練習から始め、次はカバーを外して。その時点で真剣に辞退しようと思いました。つるつる滑って怖いんですっ!

上手に転んだり這いずったりする練習、転んでも頭を打たない練習もして、氷に少し慣れて来ると「大丈夫かも」という気がしてきました。

ストーンを投げてみるあたりからようやく余裕が出てきました。

そして、ブラシで氷を擦って擦ってまた擦る!これがとてもハードでいかに大変かわかります。

ひと通りの練習が終わるとゲームの真似事をさせてもらえます。二手に分かれて対戦。白熱のゲーム!「また来たい、次はいつにする?」という声が続出。氷上のチェスともいわれるカーリングの奥の深さが少しわかってきました。


カーリングの後は近くの御厨(みくりや)さんでお昼ご飯をいただきました。美味しいお米に野沢菜の天麩羅、とろろ、豚汁、身体を動かした後はご飯が美味しい!


午後は旧軽井沢から車で5キロほど上って長野と群馬の県境にある碓氷峠へ。神社の境内を県境が走っていて、それぞれの県が異なる神社を管理しています。長野側が熊野皇大神社、群馬側が熊野神社。




長野側の熊野皇大神社には八咫烏が祀られています。(日本武尊が東国平定の折りに濃霧に見舞われ進めなくなったとき、紀州の熊野から八咫烏が飛んできて導いてくれたという逸話がある)


力餅で有名な峠の茶屋もお店のなかに県境が走っています。1,200mの山頂まで来てようやく暑さが凌げるほど、この日は軽井沢も猛暑でした。







午後は万平ホテルのカフェテラスでひと息。一日で盛りだくさんの軽井沢となりました。









2018年7月13日

明治神宮内苑/外苑  un pellegrinaggio intorno al precinto interno ed esterno del Santuario Meiji






『アースダイバー、東京の聖地』(中沢新一著)によれば、日本人の新たな聖地は築地市場と明治神宮なのだそうです。明治天皇の御霊をお祀りするこの内苑・外苑の森は実は前方後円墳だった!こういう切口はさすがです。円形の内苑と長方形に伸びる外苑、内にカクレルと外にアラワレル・・、そもそも前方後円墳というのは日本独特の古墳で日本的なものの考え方や天皇制と深い関係があるのだそうです。


ウォーキング友だちとさっそくこの聖地巡礼を試みることにしました。スタートは表参道の交差点。途中キャットストリートの裏手の和菓子屋「瑞穂」でおやつの豆大福と最中を調達(笑)、原宿口の正門から入って内宮でお詣りをして北門から出ます。この門は正門のような厳かな華やかさこそないものの凛とした美しさがあります。この朝は湿度がとても高く、降らない雨のなかを歩いているようでした。



北参道の駅から斜めに鳩森八幡神社の方に向かって歩いて行くと建設中の新国立競技場が見えてきます。その周囲を辿って外苑入口へ。絵画館、いちょう並木、野球場、ゴルフ場、テニスコートなど、わが家にとっては日ごろから馴染みの深い場所です。



いちょう並木は全長が300m、イチョウは1923年に146本植えられ、2008年で樹齢百年を迎えたそうです。


外苑には時代を先取りするようなお店が少なくありません。ランチには世界の朝食を紹介しているワールド・ブレックファスト・オールディというお店に行ってみました。今月はリトアニア。「名古屋場所で栃ノ心が優勝したらグルジアにするかも・・」とお店のひと。残念ながら今回は休場してしまいましたね。

午後のお茶は台湾のお菓子屋さんサニー・ヒルズで。パイナップルをモチーフとした木造建築がユニークです。ここではパイナップル・ケーキと台湾茶が(無料で!)いただけます。ちなみにこの建物、新国立競技場をデザインした隈研吾さんによるもの。彼の事務所も外苑前にあります。


表参道方面は裏参道とはまったく違って商業活動が盛んですが、こうした風景は聖地にはいつの時代もつきものなのだそう。

お店に立ち寄りながらのぶらり巡礼、全行程10キロ歩きました!




2018年7月9日

ある特別な日の麻布十番ー六本木ー雑司ヶ谷  Un giorno speciale ad Azabu Juban, Roppongi e Zoshigaya






ある方の還暦祝いにイタリア料理の隠れ家レストランをご紹介させていただきました。麻布十番、美味しいものの激戦区ですが、そこは隠れ家。

実はわたしもこの隠れ家ははじめて。専門はケータリングでお料理は筋金入り、いつも美味しいので、これがもしレストランだったらと思っていたところ。もちろん周囲のイタリア人のあいだでもちょっとした噂の隠れ家レストランです。

美味しいお料理を囲んでの還暦のお祝い、特別な日のお祝いはこうでなくっちゃ。
オーナーのジョルジョさん













実はこの日はダブルブッキング。雑司ヶ谷のエル・チョクロにタンゴのライブを聴きに行くことになっていました。

みなさんご朱印帳持参。というわけで、その時間までこのエリアの神社仏閣巡りをすることに。


麻布十番の十番稲荷神社と善福寺、アルゼンチン大使館前の麻布氷川神社、そして、六本木七丁目の出雲大社東京分社と一気に四つ。

出雲大社の前にある年季の入った珈琲店でひと息ついて雑司ヶ谷へと移動です。

生でタンゴを聴くのはアルゼンチン時代以来です。演奏は小松亮太のバンドネオンとギターのデュオ。2005年ブエノス・アイレスで彼の楽団の演奏を聴いたときには鳥肌が立ちました。

また、あの頃と同じようにバンドネオンに耳を傾けている・・・違うのは、仲間と一緒に聴いているということ。こんな還暦のお祝い、わたしもしてもらえたらとふと思いました。




葉山女子旅 Gita a Hayama






すっかり夏、気分は海!ということで今週は学生時代の旧友と京急の葉山女子旅切符で葉山へ行って来ました。駅の窓口で「女子旅一枚」というのがちょっと恥ずかしかったりしましたが(笑)往復の電車とバス運賃、昼食とお土産つきで3000円ぽっきりとお得です。




わたしは品川から、友だちは同じ車両に川崎から合流、平日ともあって空いていました。お天気が良いからきっと富士山も見える、裕次郎灯台~江の島クルージングもしよう!と胸が弾みます。

一時間ほどで新逗子駅に到着です。海辺の駅って感じですね。



さっそく老舗の魚寅さんで天麩羅。ここは友だちがヨット合宿のときによく来た思い出のお店だそうで。



さあ食事の後は富士山!喜び勇んで海辺に出てみたら・・・そこだけ雲!!がっかり。

 葉山マリーナまで海岸を歩き(かなりあります)、さて、クルージングと思いきや、なんと、強風で欠航!海だもの、仕方ありません。

葉山といえば長者が﨑・・遥か昔によくダイビングをしたところです。懐かしいのひとこと。卒業後は一度も来ていない(苦笑)

バスに乗って御用邸のあたりまで行って、そこからまた森戸神社まで歩き、ご朱印をもらってまたずんずん歩く。






せっかくだからと別の路線のバスに乗ってみたら路線を間違え、山の方へどんどん連れて行かれ、終点には宇宙ステーションのような近未来的な建物が・・単なる漁村と別荘だけじゃなかった葉山。(実はこの路線、フリーきっぷには含まれていなかった!でも、運転手さんが大目に見てくれました。まったく女子旅のおばさんたち、困ったもんだ)

二人ともお土産は葉山マリーナのクッキーと決めていたのでマリーナに戻って泉屋とのコラボという缶入りクッキーをゲット、これは大正解でした!

帰り道、LES PÂTISSERIES LA MARÉE DE CHAYA というなんともお洒落な響きのお店でやっとひと息つきました。

光り輝いていた学生時代のことも記憶がところどころ疎ら。ちょうどこんな窓から外を眺めるような感じでした。


気がつくともう陽が傾き、葉山ともお別れ。思い出満載の楽しい海の旅でした。