さて、船はアテネのピレウス港に接岸し、早朝からアクロポリス、アテネ考古学博物館、プラカの旧市街ランチというエクスカーションに出かける。ガイドさんは英語とイタリア語のバイリンガル。説明の時間が倍かかるので単純に考えれば半分の量の情報しかもらえないことになるが、このガイドさん、早口で一生懸命バイリンガルしていた。
アクロポリスは念のためトレッキングポールを2本持参したけれど、階段は緩やかで難なく上れた。ただ、ひと、ひと、ひと、その朝だけで85団体が入場するらしかった。夏のハイシーズンだったらどうなるのだろう。上りは順調だったが問題は混雑がピークとなってきた下り、あの狭い階段、手摺もなくつるつるした石のステップをあれだけの人数がいれば、だれかが転んだら雪崩式に滑り落ちてしまう。時間の問題のような気がした。危機管理が緩いアクロポリス・・。考古学上調査はこの先まだ続きそうだが(永遠に終わらない?)、これだけのひとが押し寄せては足を引っ張られるのではと思ってしまう。ともあれ、実際にそこに行って五感で感じることができたので大満足。
折しもこのパルテノン神殿のスーパーヴァイザーだったフィディアというアテネ黄金時代の彫刻家の展示会が今日(2023年11月24日)からカピトリーノ美術館で始まる。なんというタイミング!じっくりゆっくり見学できるので嬉しい。
ちなみにイタリアでは月の第一日曜日はすべての美術館・博物館・遺跡が無料となる。ギリシャも同様らしい。
考古学博物館へ向かい早口で説明をしてもらう。一夜づけではとても無理な展示数、また勉強して出直すべしと心に誓う。
その日、旧市街のプラカではデモがあり、バスで乗り入れ不可とのこと。現在のアテネの実態が見られないのは残念だったが仕方ない。
アテネよさらば、次の寄港地はイズミール、念願のエフェソスが待っている。
さて、イズミール、トルコの大きな港町だが、今回はそこからエフェソスまでトランスファーのみ予約した。片道1時間半くらいかかるので現地ではあまり時間がない。到着、急ぎ足で入場券を購入しに行く。が、チケット・ボックスの女性は英語が話せず、何種類もある入場券の英語の説明もない。ドルもユーロも受けつけていないし、どうしよう・・。博物館込みで950トルコ・リラ(為替はまったくわからなかった)が妥当とみて購入する。ここで、わたしは大失敗をおかすのだ・・。古代アルテミス神殿、古代ローマ、後にはパオロがここでキリスト教を布教し、聖母マリアの家もあるという、ここだけで西洋史が語れてしまうくらいのスケールの遺跡。しかも、ポンペイよりも保存状態は良いかも知れなく(資金がないのかもっとケアして欲しいと切に願う)、本来ならば半日くらいとどまって物思いに耽りたい気分・・・が、1時間半しかない。目的は博物館、足早に歩いて行くととうとう出口まで来てしまい、係員に尋ねると、「博物館はここにはありません。この遺跡すべてが考古学博物館なんです」とちょっとわけのわからないことを仰る。で、結局入場料に含まれていたのは遺跡内の展示のことで、慌てていたあまりにそこを端折ってしまった自分が悔しい・・後の祭り。考古学博物館は後で調べたらセルチュク市内にあるようで、そこに立ち寄る時間はなかったということ。でも、ターキッシュ・デライツのお店に連れて行く時間はちゃんとあって、30分もショッピングに割いたのだ。興味津々で下りて店に入ってゴマのようなきな粉のような香ばしいお菓子を試食、美味しい!というわけで、ハルヴァとロクム(大好物の求肥に似ている)をどっさりお買い上げ。
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