2024年5月15日

ブダペスト『音楽とお菓子の旅』①

 

2016年9月にウィーンを旅したとき、ザッハトルテはデメルかザッハかという問題にぶち当たり、調べていたらそのルーツはもとはといえばブダペストだった!というわけでぜひともお菓子を食べに行きたいと思ってブダペストの旅を計画した。

そのいきさつについて詳しくはこちら 

→https://bibitaro.blogspot.com/2016/09/sentiamo-cio-che-mi-raccontano-i-piatti.html





ハンガリーの音楽家といえばリストが代表的。リスト・アカデミーではコンサートも開かれているので5月の公演を調べてみると、運よくクリスチャン・テツラフのバイオリン公演があった。その日程に合わせてホテルとエアチケットを予約することに。


ハンガリー航空(Wizzair)は初めて。EU圏内は週末の旅を楽しむにもローコストが便利で最適。

ホテルは地下鉄のオクトゴン駅からも徒歩2分、アカデミーも徒歩圏内という立地。


ブダペストの空港からはエアポートバス100Eで市内へアクセスし地下鉄に乗り換えて。ブダペストの公共交通機関は要所に案内人がいるのでわかりやすいし、乗車券も徐々にタップ&ゴー方式に変わっているようだ。ホテルまでの移動はスピーディーに効率よく運び、無事にチェックイン。お勧め両替所のコレクト・チェンジで現地通貨フォリントに両替し(ほとんどカードで済ませることができるのだが)ランチを予定していたニューヨーク・カフェへ向かう。

人気スポットのこのカフェの店頭には長蛇の列が並んでいた。15分ほど待って入店するも案内されたのは2階の壁の裏、テーブルも他とは違っていてアジア系の観光客コーナーだとすぐにわかった。かつて、パリやロンドンのカフェやパブでの人種差別待遇はよく聞いたけれど、それもずいぶん昔のこと。こうまであからさまな待遇がいまだにあるとは!というわけで早々に店を出てしまった。






コスパで評判のメンサという店で初めてのハンガリー料理、スープ仕立てのグーラッシュ(我が家のグーラッシュはオーストリア風に肉のパプリカ煮込み)に旅の疲れを癒される。






ハンガリー風前菜というのを試しに注文。パテとソーセージは大丈夫だったけれど、アヒルと豚の脂身のフライはとうとう食べられなかった。





次男が注文した豚肉のグリル。こちらも美味。







午後はコンサートが始まるまで街を散策することに。

聖イシュトヴァ―ン大聖堂は新古典主義のすっきりした建築様式。ローマの教会を見慣れている目にはどこか新鮮で現代的に映る。





夜は待望のテツラフのコンサート。早めに行ってリスト音楽院を見学する。アール・ヌーヴォーの建築様式は一風奇妙ですらあるけれど、当時は最先端の芸術作品だったに違いない。ウィキペディアによればニーチェの『悲劇の誕生』をコンセプトとし、デロス島のアポロン神殿を想定して造られているらしい。





演奏はブダペスト交響楽団、指揮はアンドラス・ケラー。

ワグナーのローレングリン前奏曲
ブラームスのバイオリン協奏曲ニ長調作品77
メンデルスゾーンの夏の夜の夢作品61

インターバルなしの演奏だった。すべての演奏が終了したすぐ後、階段を一気に昇りつめ昇華した状態で奏でられるアンコールは天からの贈り物とでも言いましょうか、その場でしか授かることのできない恩寵。キラキラと空からクリスタルの雫が降り注いで来た。外に出ると内陸の大草原から吹きつける乾いた風が肌寒く感じた。

その夜、ヨーロッパ中、いや世界中で、太陽フレアの影響でワインレッドのオーロラが見えたらしい。







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