2024年6月8日

プラハ『音楽とビールの旅』②

 


プラハ2日目はブダペストと同じく対岸のプラハ城と大聖堂を見学する予定だった。

ところが、朝から股関節が痛み歩くのがしんどい。そんなこともあろうかと持ってきた痛み止めを飲んでしずしずと歩いてトラムで対岸のお城に向かうが、そのあいだにも痛みは増していく。

「聖ヴィート大聖堂とお城は絶対に制覇せねば!」

トラムから降りてまたしてもオ~と歓声!大聖堂の堂々たる姿に圧倒される。とにかくデカイ!ミラノの大聖堂よりも大きく見えるのは黒くてごっつい造りのせいか、とにかく見学。

早々たる数のステンドグラス、その美しさには目を見張る。ミューシャのステンドグラスもあったが、さすがに多少雰囲気が違っていて、色もデザインもモダンな感じ。ミューシャといえば『スラブ叙事詩』が有名、プラハでもう一度拝みたいと思っていたのだが(2017年六本木の新国立美術館で開かれたミューシャ展で鑑賞した)現在はモラヴィア地方にあるのだとか。2026年にはプラハに移転設置されるらしいのでそのときまたね。




大聖堂とお城敷地内の数か所を見学し、腰を庇いながらしずしずと下山、カレル橋の手前の橋を渡って旧市街へ向かう。渡ったところにあるお土産屋でTシャツなど買っていると腰が・・・。いよいよか。というわけでその下にある地下鉄A線でホテルに帰投し薬局で買ったヴォルタレンの湿布薬を二枚貼りつける。

お昼には友人が教えてくれたホテル近くの絶品レストランThe Garden’sへ、しずしずと。イタリア国外ではほとんど選択しないパスタだけれど、手打ちのタリアテッレがいかにも美味しそうだったので、わたしはマルセイエーズ風、息子は牛肉とトリュフソースでいただくことに。このレストランはナチュラル志向で、インテリアから食器、お料理、なにもかもが拘りのお店。友人らしいなあと思った。





しずしずとレストランを出てホテルで再び休憩。プラハにせっかく来ているのに部屋でいつまでも休んでいるのはもったいない(←貧乏性)、しずしずと夜のジャズのある街中へ繰り出した。夕飯はジャズが終わったころ、友人お勧めのレストランに予約済だったが、テーブルにいられる時間は1時間、それはちょっと厳しいということでキャンセルし、別のお店を予約する。と、そこで夕立、目の前には新市役所のカフェがあり逃げ込む。ゆったりとミントティーをいただく。つい手が出そうなケーキは我慢する。

天文時計台広場のあたりで時間を潰したりカレル橋を渡ったり、19時のはずのジャズクラブに向かうと開演21時とある。演目もわたしが予約したものとは違っていて、「あれ?なんか変だぞ…」と思いつつも、腰痛のせいか頭が回らず、20時に会場だというオーナーさんを信じて再び広場へ。

天文時計は毎時12使徒のカラクリ人形が出てくる。初ビールは小ジョッキでカラクリ人形をつまみに。生ビールは泡がギュッと固くて軽くてやっぱり美味しかった!

さて、やっとのことでジャズクラブに赴き、オンラインチケットを提示する。

「ここじゃないよ」

「ええええええ?噓でしょ~?」

そう言われてもまだ信じられない、というか頭がまったく働かないわたし。予約したのが前過ぎて記憶からすっかり抜け落ちている。そういえば、二つあったうちのよさげな方を選んだ。しかも、19時なら夕食に間に合うからと早めに、しかも、ホテルに近いところ、しかも、しかも・・・時すでに遅し、20時が過ぎ、コンサートはもう始まっている。

そこからは歩いて9分、そう、あのカフェ・ルーブルのお隣、そういえばあのときカフェ・ルーブルに入るとき、「あら、こんなところにジャズ・クラブが・・」とふと思ったのだった。が、それ以上は考えなかった。

息子はもう諦めようと言ったけれど、

「大丈夫、任せなさい、わたしがなんとかする」と歩き出す。

ぎっくり腰はもう治っていたのか?Reduta Jazz Clubの地下のチケット・ボックスでお兄さんに説明する。イタリアからはるばる来た、時間を間違えた(本当は場所)、などなど泣きついてみると、優しそうなお兄さんが「大丈夫、9時のに入れてあげるから」

ジャズ関係者は心が広いのです。そして、入場してみてびっくりぽん、ここは大御所が演奏に来ていて、来客の面々もアメリカ大統領だったり、映画俳優だったり、凄すぎて腰を抜かしそうになった(すでに腰痛めてる💦)。会場は満席、立ち見のお客さんもいた。演目はフランク・シナトラへのオマージュ、トリオと歌手の魅力的な演奏でした!プラハ、ありがとう!

もうひとつ予約したレストランももちろんキャンセルしてしまったし、演奏終了の11時過ぎではもうどこも開いていない。ジャズ・クラブの前のブーランジェリー・バゲテリアでサンドイッチをテイクアウトしてホテルで夕飯、こういうのもなかなか楽しい。

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