2016年11月27日

能 「無明怨炎 満次郎の会」 Teatro Noh, "Dojoji"







ずっと行きたいと思いつつも機会を逃していた能、とうとう鑑賞することができました。このお誘いがあってからというものの、待ち遠しくて、待ち遠しくて・・。

会場では、お番茶と釣鐘饅頭が振舞われていました。三時間半の長丁場、歌舞伎なら幕間にお弁当ということもありますが、能はそういうことでもないらしく、その代わりにお茶とお菓子が振舞われるのでしょうか。

とにかくはじめてなので、見ること聞くことすべてが目新しい。



今回の公演は、宝生流辰巳満次郎さんの『道成寺』。構成は、

絵解き 道成寺縁起 
長唄 京鹿子娘道成寺
一調 玉之段
仕舞 求塚 
能  道成寺

舞台を細かく観察していると、決まりごとが少しずつわかってきます。無駄を極限まで省いていった芸術、ごくごく僅かな動きにも意味があるのでしょうから、ひとつも見落とすことができません。

能では、白拍子のまったく動かない場面(これがかなり長い時間続く)に一瞬怯みそうになりつつも、なんとか持ち堪えることができました。これは、観ている側にも忍耐力が必要ですね。



この美しい調和の世界を体感するために、次回は来年の帰国を待たなくてはなりませんが、今からすでに楽しみです。






2016年11月24日

紅葉の秋-六義園、旧古河庭園、北鎌倉、外苑いちょう並木- Foliage Autunnale nei giardini giapponesi, Kitakamakura e Ginkgo Trees Avenue di Gaienmae







温かい日がずっと続いていたせいか、紅葉が始まると「さあ行かなきゃ!」という強迫観念に駆られて、今年はあちこち出かけました。六義園だったり、





旧古河庭園だったり、




外苑のいちょう並木だったり、

北鎌倉だったり。



 






実は、鎌倉はもうひとつの目的がありました。Oxymoronというカレー屋さんです。ひとつひとつ丁寧に作られたお料理のためならどこまでも(笑)










2016年11月22日

スーパームーンのお引き寄せ La Superluna e il vino






スパークリングワインで和食をという、二つの食文化の融合を楽しむ夕べにお招きいただきました。ワインはイタリアはロンバルディア地方のフランチヤコルタのベルルッキ、お料理の方は関西の老舗『一宝』さんのふわっと舞い上がるような天麩羅。伝統の技が生む食の芸術とイタリアの名門発泡酒の出合いです。



折しもその日は68年ぶりのスーパームーン。そのせいなのか、ちょこちょこと偶然が起こってはいたのですが、そもそも「月とワイン」のあいだには、なんらかの関係があるのでしょうか?

ありました、大ありです!ワイン作りというのは古くから月暦に従って行われているのですから。




ビオロジック(有機農法)は盛んに行わる昨今ですが、それとはまた違うビオディナミ(生力学農法)というものがあり(ルドルフ・シュタイナーの人智学がもと)、そちらは月とか惑星とか星座とか、もう宇宙規模のお話。なので、ワインと月、しかもスーパームーンともなれば、ただごとではないという気がします。



ただごとではない数々のお引き寄せに感謝。








2016年11月11日

小江戸、川越を散策 una passeggiata a Kawagoe, piccola Edo






小春日和、友だちと小江戸と呼ばれる川越へ行って来ました。渋谷から副都心線で1本、1時間弱で到着するので、そんなに遠くないのですが、それでも内陸の空気は2~3℃低いようです。

蔵造りの通りの食べ歩きでは、豆、芋、焼きおにぎり、お団子、さつま芋チップスなどなど、お腹がすぐに膨れました。川越芋はとにかく美味しいのです!Coedoビールも魅力的でしたが、さすがに飲んだら歩けそうにないのでビールは控えることに・・。

駄菓子屋が並ぶ菓子屋横丁では幼少の思い出が蘇ります。



散策の後半は神社仏閣巡り。縁結びの氷川神社では七五三のお祝いで賑わっていました。「一年安鯛(泰)」のおみくじを釣ってみると、大吉が!ただひたすら夢を追い続けなさい、と。

赤坂山王日枝神社にて








川越の日枝神社は創建830年、そして、赤坂の山王日枝神社は、この川越の日枝神社から1478年に分祀したものだそうですが、2年前のちょうどこの日に、わたしたちは赤坂の日枝神社に参詣していたのです。パワースポットだからと勧められて(笑)











中院には、川越に縁のある島崎藤村が義母のために贈った不染亭という茶室があり、しかも、日本三大茶のひとつ狭山茶はここが発祥の地なのだそう。

 「色は静岡、香りは宇治よ、味は狭山でとどめさす」という諺どおり、寒冷地でとれる狭山茶は味が濃厚で美味しいのだとか。







2016年11月2日

「綿繰り機」あれこれ  Ecco, la miglior sgranatrice di cotone






山の家の友だちが栽培してくれた和棉。気候が涼しいので、9月から10月にかけてようやく収穫が始まったようなのですが、採れる採れる。いまだに採れ続けているとのこと。



そこで問題となってくるのは種をいかにして取り除くかです。手でひとつひとつ取る方法もありますが、少量ならまだしも、これだけ量があると指先が痛くなってしまう。

ちょっと調べてみると、みなさん苦労されているようです。本場のアメリカではどうしているのかというと、もう、大量生産対応の大きな工業機械のような画像しか出てきません。そもそも、イーライ・ホイットニーというひとが1793年にこの機械を発明してくれたおかげで重労働だった種取りが楽になり、南部のコットン産業が飛躍的に発展したのだとか・・。

日本には、とても素敵な手作りの木工道具がありました。「綿繰り機」というそうです。インテリアにもなりそうな完成度です。欲しい!でも、ちょっぴリ高価なのです。

そこで、なにか代用できるものはないものかと、アメリカで使われていた綿繰り機、コットン・ジン(エンジンのこと)の写真をじーっと眺めながら考えてみました。
そうだ!ホール・トマトを濾すパッサ・ポモドーリとか、ハーブを刻むトリタ・エルベなんかどうだろう?どことなく似ているではありませんか(笑)!


イタリアの友だちにこれで試して欲しいと連絡すると、さっそく驚くべき返事が・・。


そうです、パスタ・マシーンです。完璧に見事に、それはそれは美しく取り除けるとのこと。実は、わたくしも一台持ち合わせていますが、何十年もお蔵入り、一度も使ったことがありません。こんな形で役に立つとは思ってもみませんでした。処分しなくて良かった・・・。