この旅のメインは白谷雲水峡のトレッキング。仲間のつてで依頼したガイドさん(これがまた凄いひと、忍者かはたまた天狗か、石から石へと飛ぶように歩かれる!)の勧めで早朝6時半から出発ということになりました。
実は、この旅の数日前までわたしはローマに滞在しており、そのあいだに高熱、二度のぎっくり腰に見舞われ、時差もあるしで、かなり体力的にヨレヨレ、もう、いつ寝るのかご飯を食べるのかわからないままの出発だったのです。
白谷雲水峡は「もののけ姫」の舞台として知られていますが、本当に鹿もいたりして、それはそれは幽玄の世界。なんとしてもそこに辿り着くまでは頑張ろうと、比較的楽とされるコースを行くわけですが、やはりにわか仕込みのトレッカーにとってはしんどい道のり。ガイドさんのレクチャー「山登りの奥義」―上りは貧血者(またはやる気のない中学生)のように前のめり気味に、下りは流水のように腰の位置を定めて、などなど―のおかげでだいぶ楽になりましたが。
苔むした岩の上を歩くのは危なっかしくもあり(案の定、沢で二名が転倒)、レンタル・ショップでストックを借りて正解でした。最初はウキウキお喋りしながら歩いていましたが、奥に進むにつれみんな口数が少なくなり、専らガイドさんの話に耳を傾けながらのトレッキング。
ここは、さすがに人気のスポットだけあって登って来るひとが後を絶ちません。早朝の出発で上りは貸切状態だったのが下山は混雑しました。太鼓岩まで登るかどうか(往復2時間の急斜)意見が分かれましたが、ガイドさんの判断で苔むす森をゆっくり散策して下りることに。
ここは、岩塊に樹木が張りついては絡まり、それが何層にも重なってできた大きな苔玉のようなイメージでした。まさに光と水の世界です。
0 件のコメント:
コメントを投稿