出国までのひと月を過ごした東京は、長いあいだ故郷を出ていない母にとっては異国のようだったに違いない。母のために「東京見物」をする傍ら、わたしは、すべての手続きに手落ちがないか、入念にチェックをしていった。
■戸籍の翻訳とアポスティーユ認証 イタリア語の翻訳は無理だと思っていたけれど、なんとか自分でできた。外務省に行ってアポスティーユをもらう。
■海外旅行保険 高齢者の場合、扱っているところはほとんどない。必要な薬を少なくとも三ヶ月分はストックしておく。インフルエンザの予防接種も受けておくのが望ましい。
■年金 海外受給の方法を地元の年金機構事務所で予め問い合わせる。
■海外送金 親子関係を証明する戸籍や身分証明書まで持参しての手続き審査、ちまたで高齢者を狙う詐欺まがいの事件が頻発していることがうかがわれた。
■郵便物 いちばん気がかりだったことだが、夫の事務所で管理してもらえることになる。
■転出届 出国の二週間前に市役所に郵送する。
■携帯電話の解約 最後の最後に。
■来年の確定申告 知り合いの税理士に一任する。
■搭乗便 車椅子利用のむねを連絡(これがローマ到着時にイミグレーションで大いに役立つことになる)。
事務手続きでやり残したことは、これでもうないはず。
母の衣類は動きやすく着心地のよいものを揃え、履きやすい靴を買う。着道楽の母には、わたしの意見はすべて気に入らないようだったけれど、イタリアで落ち着くまではそんなことは言っていられない。当分は合宿モードです!そして、必ず恋しくなる和菓子や和の食材も忘れずに。
いざ、出国!
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