2020年8月28日

母、86歳、イタリアへ移住する ⑤ Mamma, 86 anni, si trasferisce in Italia, definitivamente!

 


ここはローマ、移民は星の数ほどいる。しかも、世界各国からとなると市役所の住民登録もさぞかし大変だろうと思う。

市役所には手続きのマニュアルが置いてあり、まずはそれを読んで勉強する。市役所の業務はすべて予約制だが、住民登録はほぼ永久的に満席状態。予約サイトを毎日チェックしてキャンセル待ち。これではいつになるかわからない。

ということで、すべての書類(かなりの量)をスキャンしてオンラインで申請することにした。イタリアにはPECという登録制の電信箱があり、大切な書類を送る場合はこのメールを使用する。ただ、その容量が前世紀的に小さく、スキャンした書類は一度に送れず、何通にも分けて送信。念のために書留で郵送もする。しばらくして受領通知があり、一か月以内に警官による家庭訪問があるとのこと。登録の住所に本当に住んでいるかどうか確かめに来るというわけだ。

住民登録が終われば、母の保険証と身分証明書の申請ができる。これでホームドクターも選べるし、わたしたちと同じように生活ができる。

残すは年金の海外受給手続きのみ。これが意外と簡単で、本人名義の口座を日本の年金機構に知らせて申請する。銀行の口座開設には「フィスカル・コード(納税番号)」が必要となってくるが、これは、すべての住民が所持しており、母も例外にもれず滞在許可証取得とともに受け取った。

海外受給の申請書類を郵送して返事を待っていたちょうどそのころ、イタリア北部ではコロナの感染が広まりつつあり、生活にも制限が出始めていた。そして、とうとう封鎖。首都ローマも時間の問題だった。

ただならぬ胸騒ぎ・・年金機構に確認の電話を入れてみると、書類に不備があった(銀行の所在地が確認できないというだけの)ため返却したとのこと。しかも、悠長に普通便で!こちらは、コロナ禍で郵便が届かなくなるかも知れないのに!

再び書類を送り返すために郵便局へ行ったのは、イタリア全土がロックダウンになる前日のことだった。年に一度、誕生日の月末までに送る現況確認(住民票)も送付し、これで日伊双方の移住手続きがすべて完了した。




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