2017年9月3日

夏の休暇はイタリアのワンダーランドで  le vacanze nel Paese delle Meraviglie





この夏は異常気象を痛切に感じました。7月の東京は空梅雨、真夏の陽気。ローマはもっと酷かったようで水不足も深刻でした。いざ、猛暑からの脱出をはかるべく山の家に向かえば、そこでもわたしたちを待っていたのは40度近い暑さでした。
暑さのせいで例年のようなわけにはいかなかったものの、有機栽培をしている多くの友だちの庭からいただいた野菜や果物は甘さが凝縮して美味。ここぞとばかりにビタミン補給です。


庭の木々もびっくりするほど大きくなっていました。満開のクサギは植樹からまもないのにこんな勢い。





昼間は40度近いので出かけるのも億劫。ごそごそ動き出すのは夜です。夜な夜などこかで集まりが・・。8月はフェラゴストという聖母マリア被昇天の祝日があるので帰省が多く、自然にひとが集まります。村もこの月を過ぎるとひと気もなくなりもの寂しくなるので、このときとばかりどんちゃん騒ぎ。毎晩のように広場でコンサートや演劇などの催しがあります。


フェラゴストの週は町から人が少なくなるので観光にはうってつけ。サン・レウチョにある世界遺産の紡絹工場を見学することに。この工場は17世紀ブルボン王朝のフェルナンドによって完成しました。ここで織られた贅沢な布はごく一部の王家や貴族、教会しか利用できない貴重品です。労働者のための宿舎完備、社会福祉も整っていたというのですから、この時代のイタリアでは進んでいたといえます。

その後、急遽ナポリのクリスト・ヴェラートを見に行くことになり一路ナポリへ。この彫刻は1753年ジュゼッペ・サンマルティーノによるもので、ナポリ中心のサン・セヴェーロ教会にあります。ここは人体実験やら魔術やらが密かに行われていたという噂もあって、この彫刻もあまりにもリアルでちょっと鳥肌が立ちます。


ナポリに来たらピッツアでしょ、ということで、トリブナーレ通りに行くと、そこは観光客でごった返し、・・・ちょっと残念なピッツアでした。気を取り直して老舗のバール、スカトゥルキオでナポリ菓子スフォリアテッレを賞味。さすがここのは絶品です。お土産にはパスティエーラを。これも美味。




フェラゴストの週が終わると熱波は収まり少し涼しくなりました。ちょこちょこ広場に下りてお昼前のアぺリティヴォを。年に一度、あるいはもっとたまにしか会えない友だちと歓談。


毎年通っている硫黄テルメ。今回は二度しか行きませんでした。あまりに暑くて温泉に行く気がしなかったのです。この夏はやっぱり海だろう、ということでガエータのエネアス・ランディングへ。なんという透明度。ここは、ギリシャ神話のエネアスがイタリアに降り立った場所として知られています。







山も良いけどやっぱり開放的な海は好きです。そして、なんといっても新鮮な魚介料理!山では魚屋に注文して魚を届けてもらっていたけれど、海辺でいただくのは格別です。








月末には和棉を栽培してくれている綿友から初摘みの綿が届きました。第一弾でこんなに!この暑さなら12月くらいまで収穫できるだろうとのこと。暑いのもそうそう悪いことばかりではありません。ほぐして種を取り、糸を紡ぐのは長い冬のお仕事。


夏のあいだだけ盛り上がる村での生活が終わりました。いったいあの騒ぎはなんだったんだろう。暑くなればなるほどエスカレートしていくような気がするのですが、ワンダーランドの生活は一か月くらいがちょうどです。それ以上は無理(笑)


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