再びまる一日の航海の後、ナポリ港に到着。生憎の曇天でカプリやイスキアが煙って見える。下船してそれぞれ地下鉄やタクシーで街中に繰り出していたが、わたしと母は船上でのんびりすることにした。
船からのナポリの眺めはやはり美しく、幾重にも歴史が積み重なった街の表情も独特な雰囲気を醸し出している。
ふと下を見下ろすと、海洋都市国家の旗を掲げる船の一部が見えた。よく見るとアメリゴ・ヴェスプッチだった!ナポリに停泊中だったのだ。見学できるようだったけれど上からの眺めも悪くない。その日は海岸線を利用してジーロ・ディタリア(自転車レース)が開催されていたし、モナコ大公アルベルトがポンペイを訪問していたりと、なにかと賑やかなナポリだった。
翌日は下船なので荷造りを始める。深夜までにキャビンのドアの前にスーツケースを出しておくとピックアップしてくれる。朝は7時までにキャビンを空けることになっていて、下船まで朝食をとりながらゆっくり順番を待つ(わたしたちは9時40分)システムになっている。手ぶらで下船できるので、わたしたちにとってはありがたいのだが、3時間も待つのはどうなのか・・。
仲間のひとりがウオーク・アウト(荷物持参で接岸と同時に下船する)にしようと言い出した。大きなスーツケースと車椅子の母、両方押しながら下船はきつい・・・でも、みんなで助け合って行けば大丈夫だからと説き伏せられてしまった。
4000人のカオスから解放されていちばん乗りで下船、港とターミナルをつなぐシャトルバスもちゃんと待機していたのでスムーズに事は運んだ。チヴィタヴェッキアのバス・ターミナルにたったひとつ開いていたバールでコーヒーを飲みながら乗り合いタクシーを待つことになった。
母と一緒のクルーズ旅行は大きなトラブルもなく無事に終わった。仲間がいなければ実現しなかった(考えもしなかった!)こと、寛大なお誘いにひたすら感謝。
そして、母がいたおかげでいろいろな国のひとたちと話しをするきっかけができた。だれもが92歳の日本人女性の「楽しく生きたい」願望を絶賛、暖かく見守ってくれた。
「母をクルーズに連れて行くと約束しながら果たせなかった、あなたのお母さんが一緒に来てくれて本当に嬉しい」とウクライナ人の仲間のひとりが涙ながらに語ってくれた。




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